病気と治療について
歯が欠けた折れた
歯の治療2015.10.02
第四前臼歯破折、エナメル質剥離
犬や猫など肉食獣の奥歯は機能的には「裂肉歯」といいます。
草食獣や人間の奥歯のように食べ物を噛み砕いたり、すりつぶす機能はないので「臼歯」ではないのです。食べ物を飲み込める大きさにまで切り裂く機能しかありません。
エナメル質も人間よりもはるかに薄く構造的に弱く、硬いものを噛むには適していません。
ですから、骨や固いおやつやおもちゃを噛むことによって、歯が欠けることがよくあります。
※画像クリックで拡大します。
1.
これは右上顎第四前臼歯のエナメル質剥離です。
エナメル質がとれて薄い象牙質越しに歯髄がピンク色に透けて見えています。固い牛の蹄のおやつをかじっていて欠けてしまいました。
2.
まずは歯石を取って準備をします。
3.
露出した象牙質の表面を少し切削して、窩洞形成して、歯髄処置をします。
この症例では生活歯髄切断術を実施しました。
4.
エナメル質象牙質にエッチング、プライミング、ボンディングの処置をします。
5.
光重合コンポジットレジンを充填して整形します。
6.
光重合器で可視光線を照射しレジンを重合させます。
7.
修復終了後の状態です。
少し盛り上がらせています。
8.
さらに整形して表面を研磨して完成です。美しい！！