病気と治療について

手術について

2015.11.22

手術が必要になった症例で飼主さんに手術の説明をさせて頂いていると、「手術がかわいそうだ」と嘆かれる飼主さんや、「かわいそうだから」と手術を躊躇される飼主さんがたまにいらっしゃいます。

たしかに手術は「かわいそう」ではありますが、なによりも「かわいそう」なのは、すでに手術が必要な状況になっていることです。

少しでも早くそのような状況から逃れさせてあげたい。

手術が必要になっているような状況をそのままにしておく、あるいはそれに気がつかないでいることは、もっともっと「かわいそう」なことなのです。

パル動物病院では、その「かわいそう」な手術を少しでも「かわいそう」でなくするために、痛みや出血の少なくなる器具の使用、術後の疼痛緩和を積極的に行い、無麻酔あるいは局所麻酔下で行える方法、手術に変わる方法のご提供もさせて頂いています。

 

 

炭酸ガスレーザーメス

皮膚の切開には炭酸ガスレーザーメスCVL-3020を使用しています。

この器具は、局所の血管、リンパ管、神経を瞬時にシールしながら切開するので、術後の腫れや痛みが少なく傷もきれいに治ります

 

止血

biclamp大血管の止血にはVIO300Dのバイクランプを使用します。

糸で結紮するのと比べて緩むことがありませんし手術時間が飛躍的に短縮します。また縫合糸に対して過敏症反応を起こす危険が無くなります。

微小な血管がたくさんある部位の手術にはVIO300Dのバイポーラーカットを使います。繊細な止血切開が可能で熱損傷も極小です

 

麻酔について

安全性の高い麻酔とさらに安全性を高めるための術前検査を実施しています

 

術後のケア

さらに術後の疼痛緩和、治癒促進のために治療用半導体レーザーCTS-Sでレーザー治療を行っています

症例によっては術中、あるいは術後すぐに治療を開始することもあります

かなり大きな手術をしても翌日からモリモリ食べる子も良くいますよ!

 

手術ができない・麻酔がかけられない場合

また心臓が悪い場合や超高齢であるなどでどうしても手術ができないような症例のために、無麻酔、局所麻酔で対応できる方法も取り入れています。

 

体表にある小さな腫瘤でしたらCrioPenXによる凍結手術を行っています。無麻酔で実施可能です

炭酸ガスレーザーメスCVL-3020で腫瘤を蒸散することもあります。こちらも無麻酔または局所麻酔併用で実施可能です。

体表にある腫瘤に対しては、半導体レーザーDVL-20を使用して、局所麻酔下でレーザーサーミアあるいはレーザーハイパーサーミアで対応することもできます

腫瘍に対して手術に変わる治療として、マイルドハイパーサーミア光誘導免疫化学療法なども提案させて頂いています。

手術に代わる方法の一つとして、レーザー治療器の使用があります。当院ではレーザー治療器として半導体レーザーCTS-Sを使用しています。この装置を使用し始めてから椎間板ヘルニア、膝蓋骨脱臼の手術は無くなってしまいました